血圧が下がり過ぎるとせん妄を呈する 90+α歳

今までも、
たくさんの年賀状を頂きましたが、
直筆での最高齢記録を更新。


初めてお会いした、
数年前には
とても、とても考えられなかったこと。


暴言を吐き、
失禁もあり、
歩行も困難。


脳は画像上、
萎縮は当然ですが、
典型的な
正常圧水頭症(NPH)像
を呈していました。


が・・・、
服用されている薬剤を整理、
新たに必要な薬剤を追加して、
経過を診てきましたが、
別人のような目の輝きに。


暴言は収まり、
失禁までも!!


NPHの時に見られる
典型的な歩容ではなく、
歩行障害の原因も、
変形性膝関節症によるものと
わかり、一安心。


その証拠に、
今も杖1本で
歩いて来られています。


いやぁ、
当時の大騒ぎは
“せん妄”だったワケで、
もろもろの薬剤が原因で、
おそらく、
血圧の下げ過ぎ。


今でも時々、
プチせん妄状態を呈されますが、
この患者さんの場合
降圧剤の量を調整して、
切り抜けられるので幸い。




「クスリを飲んで、
血圧も100くらいで落ち着いています」




エ〜ッ!!
そこまで下がると、
超高齢者の脳内血液循環や如何に。


よほどの重大な循環器系疾患があれば、
循環器専門医の管理下へ。


それ以外、
特に90歳を超えてきたら、
降圧の仕方次第で、
認知機能が
めちゃくちゃになりますので、
要注意。


例の使えない抗認知症薬以外でも、
高齢者の場合は
薬剤で色々と起きるのです。


画像上、
NPH初見を呈するも、
症状の悪化を認めない
超高齢者の年賀状紹介でした。





ハッキリとした画像上のNPH所見・・・。


拙著に書いた通り、
画像もカタチを見ているだけ、
キノウは見てないからです。


この方のニューロンは、
機能しているということです。


元々、
持っている「性能」が違うのでしょうね。

ざまクリニック所沢のブログ

高齢者専門のクリニックです 所沢地域密着型の臨床医療を基本 ただし 基礎医学理論に基づく臨床医療を提供

0コメント

  • 1000 / 1000