高齢者にみる“多様性”の一面

臨床医となり、
しばらくしてから、
大学院に進みました。


この段階で、
整形外科医から軌道修正し、
自分の考える、
高齢者を対象とした
抗加齢医療を興すべく、
準備を開始したワケです。


大学院時代は遺伝子多型を勉強し、
元々、
整形外科医ですから、
関節リウマチをはじめに、
さらに自己免疫性疾患のみならず、
他領域の疾患感受性遺伝子の存在を
知ることとなりました。


大学の関連病院をまわる過程で、
高齢者における
“身体機能の差”
が環境因子だけではなく、
遺伝的な要因が
大きいことを確信していました。


話がヨコミチに逸れますが、
アルツハイマーをはじめ、
神経変性疾患なんて、
遺伝子抜きの議論自体、
大爆笑モノ。


じきに明らかになります。


・・・院生も大昔、
25年も前でしょうか、
遺伝子多型をキッカケに
“diversity”と言う言葉と
長いお付き合いがはじまったワケです。


diversityって何❓


今でこそ、
珍しくもなんともありませんが、
“多様性”
と言うことです。


36年前に、
40日以上かけて、
イギリスから
イタリアのローマを経由して、
エジプトまでヨーロッパ縦断旅行した際、
日本人になんて
滅多に会えませんでした。


それと同じですね。


そう、
25年前だと
“diversity”なんて、
他の分野では、
あまりお目にかかれませんでした。


でも、
この“多様性”と言う言葉から、
多くのことを学び、
それ以降、
各症例を理解することが
可能となりました。


高齢者専門クリニックとして、
健康寿命の延伸、
特に自立喪失回避を
具体的な目標とする当院では、
認知症症例は少数派。


びっくりしてもらえそうな、
今日の外来での、
患者さんとの
実際の会話をあげてみましょうか。


・・・


「最近の調子はどうですか?」


「先生、痛みは落ち着いています。
寒くなってきましたから、
暖かくするよう気をつけています。
ヒートショックは危ないですからね」


・・・


いやいや、
ただただ、
感心するばかり。


あと2週間で86歳になる方です。


ヒートショックは
数年前から、
マスコミも取り上げはじめましたが、
タイムリーに
ヒートショックですからね。


浴室内等の温度管理に
注意している現状を
淡々と説明されていました。


全く、その通りです。


この方は、
院内の“フレイル”を
説明する掲示を見て、
フレイル対策も
聞いてきた学究派。


当院には
余裕で
“90歳代通過”候補予定者
がゾロゾロいらっしゃるワケですよ。


こちらも嬉しくなります。


各症例の抱える疾患

各症例の検査上の
必須項目(我流の注目点の一つ)
の関連性を考えながら、
補強・修正していく・・・。


やること満載。


少しでもお役に立てれば・・・。


脳もMCIと呼ばれる、
認知症を発症する前なら
そこそこなんとか
なっているかも。


偉そうなことは言えませんが。

ざまクリニック所沢のブログ

高齢者専門のクリニックです 所沢地域密着型の臨床医療を基本 ただし 基礎医学理論に基づく臨床医療を提供

0コメント

  • 1000 / 1000