筋肉が弱り肥満だと認知症リスク大

梅雨から猛暑の季節がやってきます

活動が抑えられる環境ですが
ココで活動量が減り
筋肉が弱ってしまうと大変です

ソレがよくわかる研究が以下です




時事通信より


"サルコペニア肥満"は

     認知症の高リスク



 順天堂大学大学院スポートロジーセンターの染谷由希氏(現スポーツ健康科学部)、代謝内分泌内科学准教授/スポートロジーセンター運営委員長の田村好史氏らの研究グループは、握力低下と肥満が共存する"サルコペニア肥満"の高齢者は、握力、BMIがいずれも正常値の高齢者に比べ、軽度認知障害(MCI)および認知症のリスクが有意に高いことを突き止めたと発表。詳細を、Clinical Nutrition(2022年3月16日オンライン版)に掲載した。

握力とBMIで4群に分類、認知症との関連比較


 認知機能が低下する危険因子として、加齢に伴う骨格筋量と筋力の減少を示すサルコペニア、肥満が知られている。サルコペニアと肥満が合併したサルコペニア肥満は、欧州ではサルコペニア単独よりも日常生活活動の低下を引き起こす要因となることが報告されている。体重の低下がないにもかかわらず、骨格筋量と筋力が低下している状態によって要介護リスクが高まっていると考えられる。だが、サルコペニア肥満と認知機能低下との関連はこれまで不明だった。

 そこで、染谷氏らは東京都文京区在住の高齢者を対象とした調査研究Bunkyo Health Study(文京ヘルススタディー)のデータを用いて、サルコペニア(握力が男性は28Kg未満、女性は18.5Kg未満)と肥満(BMI 25以上)により定義した「サルコペニア肥満」と認知機能低下との関連を調査した。
 対象は65~84歳の高齢者1,615例(男性784例、女性931例)で、身長、体重、握力を測定するとともに認知機能検査を実施した。

 まず、握力とBMIの測定値より、①正常:肥満にもサルコペニアにも該当しない、②肥満:肥満のみ該当する、③サルコペニア:サルコペニアのみ該当する、④サルコペニア肥満:肥満およびサルコペニアに該当するーの4群に分類。次に、MCIの評価スケールであるMontreal Cognitive Assessment(MoCA)、認知症の評価スケールであるMini-Mental State Examination(MMSE)のスコアを算出し、MCI(MoCAで22以下)および認知症(MMSEで23以下)の有病率を比較した。

サルコペニアとサルコペニア肥満はMCI・認知症の高リスクに


 解析の結果、MoCAスコアは、正常群で14.5、肥満群で16.9、サルコペニア群で27.1、サルコペニア肥満群で40.8、MMSEスコアはそれぞれ1.6、2.6、7.6、14.5であった。これらから、サルコペニア群およびサルコペニア肥満群では正常群と比べ有意にスコアが低く、MCIおよび認知症の有病率が高いことが判明した。

 さらに、年齢、教育歴、基礎疾患(高血圧、糖尿病など)を調整後のオッズ比(OR)を算出した。その結果、MCIに関しては、正常群に対する調整後ORは肥満群で0.95、サルコペニア群で1.33、サルコペニア肥満群で2.11と、サルコペニア群およびサルコペニア肥満群との有意な関連が認められた。

認知症に関しては、調整後ORは肥満群が1.67、サルコペニア群が3.40、サルコペニア肥満群で6.17と、サルコペニア肥満群でより強い関連が示された。認知症のリスクはサルコペニアを有しているだけで有意に高まることも明らかになった。

ざまクリニック所沢のブログ

高齢者専門のクリニックです 所沢地域密着型の臨床医療を基本 ただし 基礎医学理論に基づく臨床医療を提供

0コメント

  • 1000 / 1000