蛋白質摂取増で女性の肺炎死亡リスク低下

図. 総エネルギー摂取量に対する
蛋白質摂取量の割合と肺炎死亡リスクの関連 

毎日 毎日 ◯◯ 食べてください ⬜︎⬜︎食べてください・・・

日々 同じ 繰り返しです


国立がん研究センター社会と健康研究センターのグループは、
一般住民を対象に、動物性/植物性蛋白質および総蛋白質摂取量と
肺炎死亡リスクとの関連を調査した結果を
Am J Clin Nutr(2021年12月16日オンライン版)に発表した。

女性では、総エネルギー摂取量に対する
総蛋白質摂取量の割合が高いほど、
肺炎死亡リスクが低かったという。


 同グループは、これまで総エネルギー摂取量に対する
総蛋白質および動物性蛋白質の摂取量割合と死亡との間に
明らかな関連は見られず、
総エネルギー摂取量に対する
植物性蛋白質の摂取量割合が高いほど死亡リスクが低い
ことを報告している(JAMA Intern Med 2019; 179: 1509-1518)。

しかし、
日本人高齢者の死因で上位となる肺炎死亡リスクについては、
蛋白質摂取量との関係はよく分かっていない。
そこで、多目的コホート研究において、
動物性/植物性蛋白質および総蛋白質摂取量と
肺炎死亡リスクとの関連について調査した。

 対象は、1990年と93年に
岩手県二戸、秋田県横手、長野県佐久、沖縄県中部、
東京都葛飾区、茨城県水戸、新潟県長岡、高知県中央東、
長崎県上五島、沖縄県宮古、大阪府吹田の11保健所(呼称は2019年現在)
管内に在住していた40~69歳の住民のうち、
研究開始から5年後に行った食事調査に回答し、
がん、循環器疾患、腎疾患、糖尿病に罹患していなかった8万3,351人とした。

その食事調査の結果を用いて、
男女別に動物性/植物性蛋白質、総蛋白質摂取量について、
総エネルギー摂取量に対する割合を算出。
蛋白質の割合が低い順に四分位に分類し、
最も低いグループを基準とし、
それ以外のグループの肺炎死亡リスクを算出した。

 平均18.4年の追跡期間中に、
990例(男性634例、女性356例)が肺炎で死亡した。 
年齢、地域、体格、喫煙状況、アルコール摂取量、
余暇の身体活動量、降圧薬服用の有無、
コーヒー・緑茶の摂取頻度、総エネルギー摂取量、閉経の有無、
さらに総エネルギー摂取量に対する脂肪酸摂取量の割合などを
調整して解析した結果、

男性では総蛋白質の摂取量割合と
肺炎死亡リスクに有意な関連は認められなかったが、
女性では総蛋白質摂取量割合が高いほど
肺炎死亡リスクが低かった。


また、動物性/植物性蛋白質摂取量の割合を見ると、
男女とも肺炎死亡リスクとの間に有意な関連は認められなかった。


 女性で総蛋白質摂取量の割合が高いほど
肺炎死亡リスクが低かった一方、
男性ではこのような傾向が認められなかったことについて、
同グループは、
「男性では全体的に蛋白質摂取量の割合が女性より低かったことや、
喫煙や飲酒といった生活習慣の影響が
大きかったことと関係している可能性がある」と指摘。

さらに、

「高齢者では蛋白質摂取量が多いと肺機能が高い、
また栄養失調が免疫低下につながるとの報告があることから、
総エネルギー摂取量に対する総蛋白質摂取量の割合が低下しないよう
維持することが、肺炎死亡リスクの低下と関係する可能性がある」

と述べている。   

ざまクリニック所沢のブログ

高齢者専門のクリニックです 所沢地域密着型の臨床医療を基本 ただし 基礎医学理論に基づく臨床医療を提供

0コメント

  • 1000 / 1000